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006 決算日(決算期・事業年度)を決める

006 決算日(決算期・事業年度)を決める

(1)会社・法人では、決算日を自由に決めることができる

個人事業の場合、事業年度(会計期間)は毎年1月1日に始まり12月31日に終わります。必ず12月31日を決算日として翌年の2月中旬から3月中旬に確定申告を行わなければならず、これを自由に変更することはできません。

しかし、会社設立をした場合には、決算日(決算期)を自由に決めることができます。
たとえば、事業年度を「毎年6月1日から翌年5月31日まで」とし、決算日である5月31日から2ヶ月以内(つまり7月末日まで)に申告すればいいのです。
そのため、繁忙期を避けて決算日を決めることができ、会計処理の上で非常に便利です。

ちなみに、決算日は月の末日でなくてもかまいません。
また、事業年度は1年以内と決められているため、決算日をたとえば「2年おき」にすることはできませんが、逆に年2回以上の決算日を定めることは可能です。

一度決めた決算日を変更することも可能で、決算日変更を利用した節税テクニックもありますが、決算日を変更するとどうしても1年に満たない事業年度が生じることになり業績の変化が見えにくくなります。これは経営的視点からは望ましくありません。

なお、決算日(事業年度)は必ずしも定款に記載する必要はありませんが、税務署に対して自社の決算日を明らかにするため、通常は定款に記載します。

 (2)消費税の免除期間は決算日/事業年度で決まる

資本金が1,000万円以上の会社は、無条件に消費税の納税義務があります。
いっぽう、資本金が1,000万円未満の会社では、2期前(前々年度)の課税売上高が1,000万円を超えると消費税を納税する義務があります。

新しく会社を設立した場合には、前年度も前々年度もありませんので、設立当初2期目までは消費税の納税義務がありませんでした(過去形)。
会社設立前に個人事業主としてどれだけ売上をあげていても個人事業と設立会社は関係がなく、会社を設立した場合には自動的に2期目まで消費税を免税されていたので、会社設立の大きなメリットのひとつだったのです。

この点については批判が強かったために消費税法の改正が行われ(消費税法9条の2)、消費税の事業者免税点について、もうひとつ条件が増えました。
それは、「前事業年度開始の日から6ヶ月間の課税売上高等が1,000万円を超えた場合には、当年度は消費税の課税事業者となる」というものです。

整理すると、
(A)
資本金が1,000万円未満の会社は、設立第1期は消費税を納める必要がなく、消費税をまるまる会社の利益にすることができます。
(B)
また、設立後第2期については、特定期間(原則的には前期(第1期)上半期)の課税売上高または給与等支払額の合計のいずれかが1,000万円以下であれば、やはり消費税の納税義務が免除されます。
(第1期上半期の課税売上高が1,000万円を超えていても、第1期上半期の給与等支払額が1,000万円を超えていなければ、免税事業者と判定されます。)

このように、売上高が大きい事業者では、2期目の消費税が免除されない可能性が高くなってしましましたが、それでも法人成りのような場合によっては最低でも第1期は消費税を免除されるのですから、やはり大きなメリットです。

ここで気をつけなければならないことは、決算日(事業年度)の定め方によって、消費税を免除される期間が大幅に違ってくるというところです。

たとえば、8月31日が決算日の会社を8月1日に設立(登記)すると、設立第1期は1ヶ月しかありません。これでは、次の第2期も消費税の納税義務がない場合であっても13ヶ月しか消費税の免除を受けられません。しかも1ヶ月しか営業していないのに、決算日を迎えた以上、税務申告しなければなりません。

ところが、同じ会社を9月1日に設立(登記)すれば、1期めの決算期である1年後の8月31日まで丸々12ヶ月は確実に、消費税が免除されます。
第2期も消費税の納税義務がない場合には、なんと24ヶ月も消費税の納税義務がないのです。

会社設立の際には、他の条件が許す限り、消費税の免除特典を活かすように決算期を設定したいものです。

 

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