015 すまい給付金について(新築住宅の場合)

すまい給付金とは

平成26年4月に、消費税が5%から8%に引き上げられました。

平成9年に消費税が3%から5%になった際には、その後しばらく住宅が売れないという影響がありました。今回も増税によって住宅が売れなくなる事態が予想され、それを避けるために『住宅ローン控除』『投資型減税』が拡大されました。

しかし、住宅ローン控除は、納付した所得税から住宅ローンの残高に応じた一定の金額が控除されるという仕組みです。そのため、そもそも納付した所得税が少ない(=所得が少ない)層には比較的恩恵が少ない制度であると言えるのです。

ところが、消費税が増税されると、逆に所得が少ない層のほうが影響が大きいという問題点があります。そのため、住宅ローン控除の拡大だけでは住宅市場の落ち込みを防げないのではないか、と心配されていました。

そこで、住宅を購入した方の収入が一定以下の場合にかぎって最大30万円(消費税8%時)の現金を支給することになりました(支給される額は収入額と持分割合によって決まります)。これが『すまい給付金』の制度です。
なお、消費税が10%になった場合には最大50万円に拡大されます。

新築住宅ばかりでなく、一定の中古住宅も対象になりますが、適用条件が違います。

平成26年4月1日から平成29年12月31日までの実施が予定されています。

 

すまい給付金を受け取れる条件

(A)受け取れる人の条件

(1)住宅を取得し、”建物”の登記簿上に持分を保有すること

→土地のほうに持分があってもダメです。なぜなら、土地は消費するものではなく消費税がかからないので、消費増税の影響を緩和するためという、すまい給付金制度の趣旨に合わないからです。

 

(2)取得した住宅に居住していること(住民票で判定されます)

→夫婦で共有にした場合等、登記上の共有持分を保有する方が複数名居住している場合には、別々に申請しなければなりません。すまい給付金は個人単位で、世帯単位ではないのです。

 

(3)収入が一定額以下であること・・・都道府県民税の所得割額で判定

(消費税 8%時)都道府県民税の所得割額が9.38万円以下
(消費税10%時)都道府県民税の所得割額が17.26万円以下(住宅ローン利用者)

→神奈川県だけはちょっと違います。
→「どうして年収じゃないの?」かというと、たとえ年収が同じであっても扶養家族の有無や医療費の多少などによって実際に使えるお金には個人差があるので、なるべく公平になるように、扶養控除や諸経費を差し引いた後の「課税所得」で判定することにしたのです。ところが「課税所得」を課税証明書に記載していない自治体もあって、困ってしまいます。そこで、「課税所得」から計算した『都道府県民税の所得割額』を利用します。こちらは個人住民税の課税証明書には必ず記載されているからです。

 

(4)(住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50歳以上で、都道府県民税の所得割額が13.30万円以下

→消費税8%の段階ではもともと所得割額の条件が9.38万円以下なので、住宅ローンを利用しない場合には年齢制限だけが加わります。なお、住宅ローンには親類・知人などからの借入金は含みません。住宅ローン控除と同じです。

→年齢は、当該住宅の引渡しを受けた年の12月31日時点での年齢をいいます。たとえば、誕生日が10月の人なら、4月(当時49才)に住宅の引渡しを受ける場合は、年齢が50才として扱います。

 

(B)住宅の条件(新築の場合

(1)人の居住の用に供したことのない住宅であって、工事完了から1年以内のものであること
(住宅・新築住宅の定義は、品確法と同じです)

 

(2)登記簿上の建物(マンションなら専有部分)の住宅部分の面積が50㎡以上あること。

→対象となる住宅の床面積が50㎡以上であることが要件となっています。この床面積の測定方法は、不動産登記上の床面積と同じです(戸建住宅の場合は壁心、共同住宅の場合は内法により測定)。

 

(3)第三者の現場検査を受けて一定の品質が確認された住宅であること(次のいずれか)
・住宅瑕疵担保責任保険(建設業許可を有さないものが加入する住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)へ加入した住宅
・建設住宅性能表示を利用する住宅
・住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施された住宅

 

(4)(住宅ローンを利用しない場合のみ)住宅金融支援機構のフラット35Sと同等の基準を満たす住宅

→フラット35Sの基準
次の1~4のいずれかに該当する住宅のことです
1.耐震性に優れた住宅(耐震等級2以上の住宅または免震建築物)
2.省エネルギー性に優れた住宅(等級4)
3.バリアフリー性に優れた住宅(等級3)
4.耐久性・可変性に優れた住宅(劣化対策等級3、維持管理対策等級2)

 

すまい給付金の額

(1)消費税8%時

都道府県民税の所得割額が6.89万円以下:30万円
8.39万円以下:20万円
9.38万円以下:10万円

 

(2)消費税10%時

都道府県民税の所得割額が7.60万円以下:50万円
9.79万円以下:40万円
11.90万円以下:30万円
14.06万円以下:20万円
17.26万円以下:10万円
(ただし、住宅ローンを利用しない方の場合は、都道府県民税の所得割額が13.30万円以下の場合にしか適用がないことに注意してください!)

 

すまい給付金の申請手続き

すまい給付金事務局に申請書と添付書類を郵送するか、窓口に提出します。
住宅業者によっては手続きを代行してくれる場合もあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

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