003 補助人による支援内容とご本人への影響

『補助』のパターンでご本人への支援が始まると、家庭裁判所が選任した『補助人』は次のような権限をもってご本人を支援します。また、ご本人は次のような影響を受けます。

なお、補助人を辞任するには、家庭裁判所の許可が必要で、勝手に辞任できません。

1.ご本人の重要な行為のうち、一部だけ補助人の同意が必要になる

ご本人の財産に関する行為の中で、以下の9つの行為のうち家庭裁判所によって補助人の同意が必要だと認められたものについてだけは、補助人の同意が必要になります。

(1)貸したお金を返してもらったり、預貯金の払い戻しをしたりすること
(2)お金を借りたり、他人の保証人になること
(3)高額な財産を購入したり手放したりすること
(4)裁判を起こすこと
(5)贈与すること・和解すること
(6)相続を放棄すること・遺産分割の話し合いをすること
(7)贈与を受けるのを断ること
(8)新築・改築・増築や大修理をすること
(9)一定の機関を超える賃貸借契約をすること

この9つの行為のうち、補助人の同意が必要な行為をどれにするかは家庭裁判所が決めますが、補助の開始を申し立てるときと同時に申し立てる『同意権・取消権付与の申立て』の中で、申立人が選択することになります。

2.補助人の同意が必要なのにご本人が単独で行った行為は、取り消すことができる

上記の9つの行為のうち家庭裁判所によって補助人の同意が必要だと認められたものについて、ご本人が補助人の同意を得ないで単独で行った行為について、補助人は取り消すことができます。

高額な財産の購入について補助人の同意が必要とされているのに、補助人の同意なくご本人が高額な骨董品を購入したというような場合、補助人はこれを取り消し、代金を返してもらうことができます。

3.申立てによって家庭裁判所に認められた行為については、代理できることも

『成年後見人』と異なり、補助人は、原則としてご本人の代わりに財産的な行為をすることはできません。

介護サービスなどの生活や療養看護に関する契約についても同じです。

補助人の権限は、ご本人に勧めたり同意したりする程度に限定されているのです。

ただし、「一定の財産の管理や処分について、補助人に代理権を与えてほしい」という申立てを家庭裁判所に行い、これが認められると、その部分についてだけの代理権が補助人に与えられます。これを『代理権付与の申立て』といいますが、この場合、代理権を付与しても良いか家庭裁判所がご本人の意思を確認します。

補助人に就任したら1ヶ月以内に財産目録を作成し、年間の収支見込みをまとめて家庭裁判所に提出するなどの義務があります。

補助人は、ご本人の財産を帳簿管理し、その職務内容や財産の変動を1~2年ごとに家庭裁判所に報告しなければいけません(補助事務報告)。

4.補助人はご本人に対して義務を負う

「意思尊重義務」:補助人は、職務を行うにあたってご本人の意思を尊重しなければなりません。

「身上配慮義務」:補助人は、職務を行うにあたってご本人の心身の状態や生活状況に配慮しなければなりません。

5.補助の場合には、ご本人には資格制限がない

成年後見や保佐のパターンと異なり、補助の場合は資格の制限はありません。

実印の登録は抹消されませんし、ご本人の印鑑証明書も出ます。

戸籍にはのりません。法務省の後見登記簿に記載されるだけです。

 

作成:埼玉県八潮市三郷市の司法書士法人ひびき