マイホーム

マイホーム購入で登記が必要な理由

土地や建物・マンションのような不動産について、売買契約や請負契約を締結して代金を支払うと、その不動産は買主(施主)の所有になります。
しかし、『マイホーム』であっても、売主以外の第三者は、その不動産が誰のものなのかわかりません。
そこで、誰もがわかるように国が管理する「登記簿」に所有者の住所氏名を記載して一般に公開することで、所有者がわかるようになっています。登記簿に所有者として記載されているからこそ、マイホームを誰に対しても自分が所有者であることを主張できるようになります。

登記簿は土地と建物とで別々に存在し、基本的にそれぞれ三段構造になっています。『表題部』『権利部(甲区)』『権利部(乙区)』です。
このうち『表題部』は、土地ならば所在地や面積、建物ならば種類や床面積などが表示されている部分で、この『表題部』についての登記は土地家屋調査士が現場確認のうえ行います。
『権利部(甲区)』は所有権に関する権利関係が表示されている部分で、『権利部(乙区)』は所有権以外の権利、たとえば銀行が設定する抵当権などが表示されている部分です。
マイホームを購入・新築する場合には、適切な登記申請をして、これらの登記簿に権利関係を明示することになります。

なお、登記簿はその所在地によって管轄している法務局(登記所)が決まっており、登記申請はそれぞれの管轄法務局に対して行います。
ただし、登記簿の記載内容を証明する『登記事項証明書(登記簿謄本)』は、管轄法務局以外の全国どこの法務局でも購入することができ、法務局でなくても自治体などに自動発行機が設置されていることもあります。

所有権保存登記

所有権保存登記とは、所有権の登記がない不動産について、初めてなされる所有権の登記のことです。

注文住宅を新築したり、建売住宅の建物や新築マンションを購入したりした場合には、表題登記の後に最初の所有権者として所有権保存登記を行います。
不動産を二人以上で購入した場合、原則として拠出した資金の割合に応じて所有権の持分(割合)を決め、これを分数で表示します。
ローンをご利用の場合には、あわせて権利部(乙区)に抵当権設定登記を申請します。

なお、所有権保存登記を行うかどうかは、本来、所有者の任意です。
しかし、将来その不動産の所有権を移転したり、その不動産になんらかの権利を設定したりする場合、それらの契約の相手方は自分の権利を登記簿によって主張できないと困ります。所有権保存登記を行っておかないとこのような第三者のための所有権移転登記や抵当権設定登記などをすることができないため、マイホームを新築すると所有権保存登記を行うのが通常です。
ローンを組んでマイホームを購入する場合には、金融機関の抵当権を設定するために、所有権保存登記が不可欠となります。

所有権移転登記(名義変更)

マイホームとして中古住宅を購入したり建築敷地を購入したりした場合には、すでに登記簿に前の所有者が記載されていますので、所有権移転登記(名義変更)を申請します。

不動産を二人以上で購入した場合、原則として拠出した資金の割合に応じて所有権の持分(割合)を決め、これを分数で表示します。
前の所有者が抵当権を設定している場合はこれをすべて抹消してから所有権移転登記をします。
マイホーム購入にあたりローンをご利用の場合には、あわせて権利部(乙区)に抵当権設定登記を申請します。

マイホームと税金

マイホームを購入した場合、次のような税金がかかります。詳細は下の豆知識をご覧ください。

印紙税
売買契約書などに収入印紙をはりつけて納付します。
登録免許税
登記申請の際に納付しますので、通常は税額相当を司法書士がお預かりして代行納付します。
不動産の固定資産税評価額により納付額が決まります。
一定の要件をみたしているマイホームの場合には、住宅用家屋証明書を取得して登記申請書に添付すると所有権保存登記や抵当権設定登記の税率が大幅に下がります。
不動産取得税
マイホーム購入後に都道府県税事務所から送られてくる納付書で納付します。
マイホームの場合には税額が0になることも少なくありません。その場合、そもそも納付書が送られてこない地域もありますが、原則として一定の手続きが必要です。各都道府県税事務所にお問い合わせください。
固定資産税
マイホーム購入後、毎年1月1日時点の所有者に対して春に納付書が送られてきますので、それで納付します。口座振替も可能です。

なお、建物の築年数などの条件はありますが、住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、翌年の確定申告で住宅ローン控除の手続きをとれば、その後一定期間、ローン残高に応じて、毎年納付する所得税が減税されます。
サラリーマンの方の場合、一度手続きをすれば、その後は毎年の年末調整で自動的に減税分が戻ってきますので、ローンを利用してマイホームをご購入されたら、翌年の確定申告で住宅ローン控除の手続きを忘れないようにしましょう。

マイホーム 登記手続きの流れ

ここでは、一般的なマイホームの売買による所有権移転手続きを説明します。

購入の申し込み、手付金の支払い
ご購入を希望される物件を確保するため、手付金をそえて購入の申し込みをします。
売買契約の締結
売買契約書を作成し、売主・買主双方が署名捺印をし、収入印紙をはって割印します。
前金として売買代金の一部を支払うことも多いです。
特約事項や、締結後に契約解除した場合の賠償額などがが明示されていますのでよく確認しましょう。
ローンの申し込み
住宅ローンを利用する場合、売買契約締結後、金融機関に正式に申し込みをします。
事前に返済計画に無理がないかシミュレーションし、金利動向を注視して慎重にローンを選択しましょう。
金銭消費貸借契約などの締結
ローンの審査が下りたら、残金決済の前に金融機関で金銭消費貸借契約や保証委託契約を締結します。
残代金決済
買主・売主が合意した日時に、主に金融機関で、司法書士が本人確認・書類確認を行い、問題がなければ融資が実行され、買主が売主に売買残代金を支払い、鍵を受取ります。
これにより所有権が移転し、通常は同日中に司法書士が所有権移転登記などを申請します。
登記識別情報の引渡し
登記手続きが1~2週間程度で完了し、『登記識別情報通知』という書類が発行されます。
これがいわゆる権利証で、理由を問わず再発行される大事な書類です。大切に保管なさってください。
住宅ローン控除
住宅ローン控除を受ける場合、翌年の確定申告で手続きをお忘れなく。

マイホームの登記手続き費用

司法書士法人ひびきのマイホーム購入に関する登記費用は、原則的に下記のとおりです。
基本報酬・付帯報酬・登録免許税・諸実費の合計を頂戴します。

1.基本報酬(登記申請1件あたり。消費税込み)
所有権移転登記(売買) 54,450~所有権保存登記 18,150~抵当権設定登記 32,450~住所氏名変更登記 9,900~
不動産の固定資産税評価額や抵当権設定額、所在地、不動産の数など、事案に応じて加算されます。
なお、敷地権付マンションの所有権移転登記・所有権保存登記は+13,000となります。

2.付帯報酬(消費税込み)
付帯報酬 3,300~ 22,000程度
登記事項証明書の取得、住宅用家屋証明の取得、事前調査報酬などで、事案によって異なります。
農地転用については別途行政書士としての報酬を申し受けます。
権利証を紛失されているなどの特殊なご事情がある場合や遠方出張の場合、これを上回ることがございます。

3.登録免許税
所有権移転登記(土地売買)  固定資産税評価額の  1.5%所有権移転登記(住宅用建物)  固定資産税評価額の  0.3%所有権保存登記(住宅用建物)  固定資産税評価額の  0.15%
認定長期優良住宅については別途の軽減がございます。
住宅用家屋の税率軽減を受けられない場合、税率が異なります。
抵当権設定登記  抵当権設定額の  4%または1% (注)抵当権追加設定登記  追加する物件数×1,500住所氏名変更登記  物件数×1,000
(注)1%となるのは住宅用家屋証明を添付できる場合に限ります。
建築予定地を購入する場合や、築年数が古く住宅用家屋証明を受けられない場合には4%になります。

4.諸実費
登記事項証明書 住宅用家屋証明書など実費 総額2,000~20,000程度
事案によって異なります。

なお、登録免許税を除く税金(不動産取得税・贈与税・譲渡所得税など)は表に含まれておりません。

マイホームの登記で損をしないために

マイホームの登記申請手続きは、通常、必要書類の受け渡し・鍵の引き渡し・残金の支払い(決済)・住宅ローンの融資実行と同じ日に行わなければならず、失敗が許されません。売主の方に住所変更登記や抵当権の抹消登記が必要なケースも少なくありませんし、売主が権利証を紛失してる場合には特殊な手続きが必要になるなど、手続きが複雑です。

また、売主が実はなりすましで別人だった場合や、なんらかの障害をもっていて意思能力が不十分であったりすると、所有権を取得できず、たとえ登記をしたとしてもそれは無効となります。
マイホームの登記は、手続きに精通し経験豊富な司法書士にお任せください。

新築マンションの分譲や規模が大きい建売分譲の場合には、登記申請は販売業者やローン提携金融機関が指定する司法書士で行うことが多く、そのほうが手続き上は効率的です。
そうでない場合、登記申請を依頼する司法書士を誰にするかは、買主・売主の合意で決めることになりますが、知り合いの司法書士がいなければ不動産仲介業者に紹介してもらうことになるでしょう。

ここで、大変残念なことですが、登記申請手続きを引き受けるために紹介者に紹介料を支払っている司法書士が一部にいる、とのことです。
当然ながらこの紹介料は、マイホームをご購入された皆様から司法書士がいただく報酬に上乗せされることになります。
マイホームを購入するということは一生のうちにそうあるものではなく、一般の方は適正な手続き報酬を知らないことが多いため、何も知らずに高額の報酬を支払ってしまいます。
司法書士が紹介料のように案件に応じた謝礼をすることは倫理的に許されるものではなく、不当誘致として懲戒の対象となるものです。

私たち司法書士法人ひびきは、このような不当誘致行為を許しません。
マイホームを購入するには様々な税金や手数料がかかります。私たち司法書士法人ひびきは、マイホーム購入というご決断をされた方に適切なサービスを提供し、その上で適切な利潤をいただくべきであると考え、可能な限りリーズナブルな報酬を設定するように努めています。
マイホームのご購入で司法書士を選択する際には、ぜひ司法書士法人ひびきのように、一般のお客様の利益を第一に考える司法書士事務所をお選びいただきますようお願い致します。もちろんそのような事務所が大半です。