あなた自身が、判断能力に不安を感じたら
「使いもしないのに、高額な健康器具など頼まれるとつい買ってしまう・・・」
「アルツハイマー病と診断された。今はまだ大丈夫だが今後が不安・・・」
近頃はご高齢の方を狙って様々な商品を売りつけたり、投資話を持ち込んだりする業者が後を絶ちません。
詐欺などの悪質な話も少なくありません。
たくみなセールストークに根負けしたりだまされたりして契約してしまうと、後悔先に立たず。後から契約を取り消すのは困難です。
なんとか予防する方法は、ないものでしょうか?
これをお読みになっているあなたは、きっとまだまだお元気。ぜひこれからもご活躍いただきたいと思います。
けれどもちょっとだけ判断能力に不安がある・・・そのような方には、『成年後見』という制度の中で、まだまだお元気な方が利用できる『補助』という仕組みを検討されてはいかがでしょうか?
家庭裁判所に『補助』の申請をして、たとえばあなたが信頼できる身近な人を『補助人』に任命してもらうと、『契約などの中で、あなた自身が決めた特定のもの』についてだけは補助人の同意が必要になり、補助人の同意がない契約などについては、法的に取り消すことができるようになります!
『補助』ならば、契約するかどうかについてはまずあなたの意思が尊重されますし、補助人はあなたの用心棒として契約に同意したり取り消したりすることができるようになるわけです。
もし身近に信頼できる方がいなければ、家庭裁判所が任命してくれます。
さらに、補助人には『代理権』をオプションで与えることもできます。契約手続きが面倒な場合には、あなたに代理して補助人に契約手続きをさせることもできます。
『補助』について、詳しくはこの下の『成年後見制度(成年後見・保佐・補助)とは?』をご覧ください。
なお、『補助』を受けるようになっても、戸籍にはのりません。
家族・親族の判断能力に不安があるときは
「認知症の母の預金を代わりにおろそうとしたら、銀行の窓口で断られた・・・」
「認知症の父の不動産を売却して、施設入所費にあてたい・・・」
「認知症で寝たきりの父の代わりに財産を管理していたが、他の兄弟から疑われている・・・」
「知的障害のある子供がいるが、私が死んだらどうなるのだろう・・・」
ご家族・ご親族の中に認知症や知的障害・精神障害をもつ方を抱え、介護や財産管理など、いろいろなお悩みを抱えている方が急増しています。
介護については、介護保険の制度や介護事業者による支援があります。
いっぽうで財産については、ご本人が寝たきりで一人では何もできないならば、ご家族やご親族が管理されていることが多いでしょう。しかしご本人に判断能力がないため、銀行の窓口やいろいろな契約でご苦労されているかもしれません。
また、ご本人の財産を管理していると、きちんと帳簿をつけて管理していたとしても、他のごきょうだいや親族から「使い込んでいるのではないか」というあらぬ疑いをかけられることがあります。
介護の苦労に人間関係の心労が重なり、精神的に参ってしまう方も少なくありません。。
逆に、ご本人がある程度お元気で、今までどおり自分で財産を管理しているならば、ご家族・ご親族としては、それこそ悪徳商法にだまされるのではないかとか、詐欺に巻き込まれるのではないかという不安がつきまといます。
このような場合、『成年後見制度』を利用することで、あなたのお悩みを軽くすることができるはずです。
家庭裁判所に成年後見制度の利用を申し出ると、ご本人の程度に応じて『成年後見人』『保佐人』『補助人』を任命し、それぞれの権限に家庭裁判所がお墨付きを与えます。
あなたが本人に代わって財産管理する権限を家庭裁判所に認められれば、代理人として堂々と本人に代わって権利を行使することができます。
また、帳簿をつけて年に1回程度家庭裁判所に報告する義務があるため、ご本人の財産をどうやって管理しているか明確になります。そのため、他のごきょうだいなどからあらぬ疑いをかけられる危険性が少なくなります。
ご本人がまだまだお元気な場合には『補助人』が任命され、財産管理は今までどおりご本人にしてもらいつつ、一定の契約行為などについては補助人の同意が必要になり、補助人の同意なくされた行為については取り消すことができるようになります(どの行為に同意権・取消権を補助人に与えるかは、ご本人が決めます)。
これも高齢者を狙った悪徳商法などからご本人を守る有効な仕組みです。
あなたが、ご本人の財産を管理することを望まないようなときは、財産内容や職務に応じた報酬が必要ですが、弁護士・司法書士などの専門家に任せることができます(報酬は裁判所が決めます)。
お金はかかりますが、そのぶん、あなたの精神的ご負担はかなり軽減されるでしょう。
なお、成年後見制度の利用を申し出るときに、あなたやその他のご家族などを成年後見人などの『候補者』として申し出ることが多いですが、ご家族間にトラブルがある場合や財産が多いなどの場合には、はじめから専門家が選任されることがあります。
なお、成年後見の制度を利用しても、戸籍にはのりません。
成年後見制度(成年後見・保佐・補助)とは?
成年後見制度は、財産に関する法律行為(たとえば預貯金の管理、賃貸借契約、遺産の分割、不動産の売却など)や生活・療養看護に関する法律行為(たとえば医療に関する契約、施設入所契約、介護契約など)について、ご本人を支援するため制度です。
ご本人の身分行為(結婚・養子縁組など)には、後見人などは関われません。
事実行為(食事を作る、掃除をする、日常の買物など)は後見人としての仕事ではありません。
成年後見制度は、ご本人の状態に応じて『後見』『保佐』『補助』の3パターンがあります。
どのパターンになるかは、最終的に家庭裁判所が判断します。
なお、申立書に成年後見人・保佐人・補助人の候補者としてご家族などを指定しても、必ずその方が任命されるわけではなく、弁護士・司法書士などの専門家が任命されることがあります。家族内にトラブルがある場合や、住所が遠い場合、財産が多い場合などです。
『成年後見』『保佐』『補助』について、当事務所の報酬など
司法書士法人ひびきの成年後見に関する費用は、原則的に下記のとおりです。
基本報酬・付帯報酬・諸実費の合計を頂戴します。
これらの費用は、申し立ての前に、前金としてお預かりさせていただきます。
なお、『成年後見(保佐・補助)開始の申立て』についての報酬・実費は、申立人様のご負担となります。
当事務所が成年後見人・保佐人・補助人・監督人に選任されて職務を遂行した場合には、その報酬は毎年家庭裁判所が決定し、こちらはご本人の財産からご負担いただくことになります。
『成年後見開始』『保佐開始』『補助開始』の申立て
1.基本報酬(申請1件あたり。消費税込み)
なお、遠方への出張日当など、事案により追加報酬が発生することがあります。
次の申立てにおいては、については、別途報酬をいただきます。
2.付帯報酬(消費税込み)